

第4回 狭山事件と部落問題
冤罪による31年7ヵ月の獄中生活
あらゆる差別のない社会の実現へ
冤罪の狭山事件
部落問題と差別
一方、1970年代には、企業が、採用にあたって部落出身者を差別している実態が判明しました。1975年11月、『部落地名総監(全国の部落の新・旧地名等を記載)』が企業に販売されていたのです。
このような背景の中、部落解放・人権擁護のために、1975年、労働組合が部落解放中央共闘会議を結成。全電通(NTT労組)は当初から今日まで共闘会議に参画しています。当時の資料をひもとくと、全国の各職場で、部落問題の学習会や意識啓発に取り組む等、自らの課題として積極的に取り組まれていました。
私自身も、小学校で被差別部落について学びました。部落出身者は、好きになった人と結婚できないとか、自分の希望する仕事に就けないという話を聞いたり、町中にあふれる差別的な落書きの写真を見るにつけ、「差別をしてはいけない」と小学生ながら心に刻んだものでした。
今も、部落差別をはじめ、あらゆる差別を撤廃しなければいけないと強く思っています。しかし、日常生活で、偏見等による差別をしていないとは言いきれません。いま一度、自分自身を振り返って反省しつつ、あらゆる差別のない社会の実現へ、微力ながら努力していきます。
中央本部・中野富夫交渉政策部長